2026年4月、特定技能の外食業分野で新規受入れが一時停止されました。出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」「介護も同じことが起きるのでは」。そう感じた施設もあるのではないでしょうか。追い打ちをかけるように、2026年5月には民間企業から「介護を含む複数分野が2027年にも受入れ上限に到達する」という独自試算も発表されています。介護分野の充足率は、実際にすでに5割を超えています。今回は、最新の実績データをもとに、現状と今後の見通しを整理してお伝えします。
特定技能「介護」の受入れ見込数とは

特定技能「介護」には、国全体での受入れ見込数が設定されています。2026年1月23日の閣議決定により、2029年3月末までの見込数は12万6,900人です(介護分野は育成就労と合わせて計16万700人)。法務省 「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について」(2026年1月23日閣議決定)
この数字は、法律で定められた上限ではありません。国内人材の確保努力を行ってもなお不足する人数として、政府が試算した目安です。ただし、この目安に到達した場合、新規の受入れが一時停止される運用になっています。実際に、外食業分野では2026年4月13日から、この運用が適用されました。
現在どれくらい枠が埋まっているのか

特定技能「介護」の在留者数は、2024年12月末時点で44,367人でした。2025年12月末時点では67,871人まで増えています。出入国在留管理庁 「特定技能制度運用状況」
見込数12万6,900人に対して、充足率は約50.3%です。1年間で約53%増えており、増加のペースは加速しています。この統計は半年ごとに更新される運用になっており、次回(2026年6月末時点分)の公表も予定されています。
「2027年にも上限到達」という予測の出どころ
こうした増加ペースを受け、具体的な到達時期を予測する動きが出ています。ここで押さえておきたいのは、この予測は政府の公式発表ではないという点です。
民間企業による独自試算
株式会社JJSは2026年5月13日、独自の試算として「特定技能1号は2027年に5分野で受入れ上限に到達する可能性がある」と公表しました。【独自試算】特定技能1号、2027年に5分野「受入れ上限」到達の可能性。 株式会社JJSのプレスリリース5分野には介護のほか、自動車整備や宿泊など、人手不足が深刻な分野が含まれています。人材紹介系メディアのDivershipも、直近の増加率をもとにした独自推計で「2027年半ばに介護が上限に到達する」と試算しています。
なぜ「2027年」という時期が挙げられるのか
直近1年の伸び率(約53%増)がこのまま続くと仮定すると、単純計算では1〜2年ほどで見込数に達する可能性があります。これが、各社が「2027年」という時期を挙げている根拠です。ただし、あくまで現時点の伸び率をもとにした試算であり、確定した情報ではありません。今後、施設側の採用ペースや制度運用の見直しによって、時期は前後する可能性があります。
介護施設への影響

上限に到達した場合の影響は、手続きによって①影響があるケースと②影響がないケースに分かれます。外食業分野で実際に一時停止となった際の運用が、参考になります。
①影響があるケース
影響があるケースは、海外から新たに人材を呼び寄せるための、在留資格認定証明書交付申請です。これは、海外に住む方を初めて日本に呼び寄せて特定技能「介護」として受け入れる際に必要な手続きです。外食業分野では、この新規の交付申請のみが停止の対象となりました。すでに現地で候補者が決まっている場合や、来日に向けて最終調整を進めている段階でも、この手続きが止まれば入国の時期が遅れる可能性があります。
②影響がないケース
すでに日本国内に在留している特定技能「介護」の外国人財の更新・転職です。技能実習や留学からの国内切替(在留資格変更)についても、外食業分野の運用では対象外とされました。今いる人財の雇用が突然打ち切られる、という制度ではありません。
とはいえ、これから新規に採用を検討している施設にとっては、無視できない情報です。採用を先延ばしにするほど、選べる時期の余地が狭くなっていきます。
今のうちに採用を検討したい方は、お気軽にご相談ください。ASCareでは、これまで累計3,000人以上の外国人財の受け入れを支援してきました。制度の動向を踏まえた採用スケジュールのご相談も承っています。外国人介護士の採用の流れをわかりやすくまとめたこちら(採用フロー:募集から入職までの7ステップ)もあわせてご覧ください。
介護施設として今からできる準備

上限到達の時期はまだ確定していません。今のうちに動ける準備を、4つの観点で整理しました。
①採用計画の前倒しを検討する
- 直近の採用予定を洗い出し、前倒しできないか確認する
- 登録支援機関・送出機関に、現在の受入れ状況を確認しておく
②代替となる受入れルートを把握する
特定技能の上限が対象外となる、以下のルートも選択肢に入れておきましょう。
- 育成就労制度:2027年4月施行予定。技能実習に代わる新制度です厚生労働省「外国人育成就労制度について 」
- 在留資格「介護」:介護福祉士資格の取得が前提で、上限の対象外
③既存の外国人財の定着支援を強化する
新規採用が難しくなるほど、今いる人財に長く働いてもらうことの重要性が高まります。上限が迫る状況では、一人が離職しても代わりをすぐに新規採用しにくくなるため、離職の影響がこれまで以上に大きくなります。
具体的には、住まいや行政手続きなどの生活面の相談、業務内容についての定期的なフィードバック、日本語学習や資格取得の後押し、孤立を防ぐための相談機会づくりなどが挙げられます。生活・仕事・学習・感情面のサポートを、今のうちに見直しておきましょう。
ASCareでは、この4軸に沿った定着支援を継続的に行っています。「今いる人財にもっと長く働いてもらいたい」という方は、定着支援の内容について、お気軽にご相談ください。
④国内切替も選択肢に入れておく
技能実習や留学からの国内切替(在留資格変更)は、外食業分野の運用では対象外でした。海外からの呼び寄せに偏らない採用計画を立てておくと安心です。
特定技能「介護」について押さえておきたい、新しく外国人介護士の採用を検討している方は特定技能「介護」とは?制度の仕組みと受け入れ条件をわかりやすく解説もあわせてご確認ください。
まとめ
- 特定技能「介護」の受入れ見込数は12万6,900人(2029年3月末まで)。法的な上限ではなく運用上の目安
- 2025年12月末時点の充足率は約50.3%。1年間で約53%増と、増加ペースは加速している
- 「2027年に上限到達」は民間企業(JJS・Divership)による独自試算で、政府の公式発表ではない
- 上限到達後も、海外からの新規呼び寄せのみが影響を受ける。既存の外国人財の更新・転職や国内切替は継続できる
- 新規採用を検討している施設は、採用計画の前倒しと代替ルートの把握を進めておきたい
制度の運用状況は今後変わる可能性があります。最新情報は出入国在留管理庁の公式発表でご確認ください。
参考リンク
- 出入国在留管理庁「特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について」
- 法務省 「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について」(2026年1月23日閣議決定)
- 出入国在留管理庁 「特定技能制度運用状況」
- 【独自試算】特定技能1号、2027年に5分野「受入れ上限」到達の可能性。 株式会社JJSのプレスリリース
- 外国人育成就労制度について |厚生労働省
ASCare(アスケア)では、人財紹介料0円での受け入れ支援をはじめ、教育から定着まで一気通貫した体制で、現場の皆さまに寄り添いながら、外国人財の受け入れをお手伝いしています。「うちの施設だとどれくらい影響がありそうか」など、更新時期の整理から費用面の見通しまで、どうぞお気軽にご相談ください。
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